2023年6月、雨の多い季節のことでした。張さんの症状は軽い鼻づまりだけでしたが、眠る際には口呼吸に頼らざるを得ない状態でした。
8月に地元の病院を受診し、アレルギー性鼻炎と診断されました。しかし症状は改善せず、9月に別の病院を受診したところ、今度は副鼻腔炎と診断されました。
10月、鼻腔内視鏡検査で新生物が発見され、組織生検の結果、最終的に上咽頭がんと診断されました。まだ38歳で、元気で愛らしい2人の子どもを育てる母親である張さんにとって、それはまさに青天の霹靂でした。

中国国内で化学療法を開始した後、張さんとご主人は、より高い治療効果を求め、さらに先進的な治療法を検討したいと考えました。
そこで当社の易事通チームにご相談いただき、私たちは速やかに診療記録を日本語へ翻訳し、国立がん研究センター東病院の秋元哲夫教授への受診を手配しました。
秋元教授は速やかにオンライン診療を実施し、張さんが陽子線治療の適応に該当することを説明しました。また、初期治療計画を提示するとともに、起こり得る副作用についても詳しく説明しました。
今後の治療について、張さんはご主人と何度も話し合いました。そして、子どもたちの成長を少しでも長く見守りたいという思いから、日本で治療を受けることを決断しました。
当社のチームは速やかに医療滞在に必要な身元保証を行い、張さんとご主人の医療滞在ビザ取得を支援しました。3回目の化学療法を終えたばかりの張さんは、ご主人に付き添われ、日本へ向かう飛行機に乗りました。

日本での治療経過
照射回数:全33回、約7週間
総照射線量:66 GyE、1回あたり2 GyE
治療後半には、医師の指示に基づいて照射位置を複数回確認し、当初の治療計画どおりに照射できるかどうかを慎重に評価しました。
当初は全35回の照射が予定されていましたが、最終的に秋元教授は、33回の照射で十分であると判断しました。
陽子線治療の後半には、張さんに皮膚炎、嚥下時の痛み、食欲不振、味覚低下などの症状が現れました。
医師は抗炎症軟膏を処方し、1日3~4回塗布するよう指示しました。また、生理食塩水による鼻洗浄を行い、外出時には綿素材のスカーフを首に巻いて、衣服の襟による摩擦や紫外線から首を保護するよう勧めました。
陽子線治療終了から約2週間後には、食欲が徐々に回復し始める見込みです。味覚は完全には元に戻らない可能性がありますが、時間とともに少しずつ改善していくと説明されました。
医師からは、今後の生活において最も重要なことは、口腔内の潤いと清潔を保つことであると、特に念を押して説明されました。
張さんの日本での治療経験は、単に病気と身体的に闘うだけのものではありませんでした。それは、子どもたちと家族のために、あらゆる困難へ勇敢に立ち向かう彼女の姿そのものでした。
痛みに耐えるたびに思い浮かべたのは、子どもたちの笑顔でした。疲れを感じるたびに支えとなったのは、夫の揺るぎない寄り添いと励ましでした。
彼女は、諦めずに歩み続ければ、必ず明るい明日を迎えられると信じていました。張さんの勇気と強さは、私たち一人ひとりの心を動かしました。そして彼女の物語は、今も病気と闘う多くの方々を勇気づけています。
